じょう‐し【情思】
思い。心持ち。特に、恋しい思い。恋心。「人耳多くして—を吐露する能わざるを以て」〈織田訳・花柳春話附録〉
千里(せんり)も一里(いちり)
恋しい人の所に行くときは、遠い道もそれほど苦にならない。「惚(ほ)れて通えば—、会わず戻ればまた千里」
誰(だれ)に見(み)しょとて紅(べに)鉄漿(かね)つきょうぞ
歌舞伎舞踊「京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)」の詞章。あとに「みんなぬしへの心中立て」と続く。誰に見せようとして顔に紅をひき、お歯黒を塗ったりしましょうか、みんな恋しいあなたに真...
つかみ‐ぼうこう【掴み奉公】
草履取りの奉公。また、その奉公を卑しめていう語。「—致しても、恋しい奴めにま一度と」〈浄・薩摩歌〉
なま‐こい・し【生恋し】
[形シク]なんとなく恋しい。「京さへ—・しき旅のほど」〈大和・附一〉
ににんわんきゅう【二人椀久】
歌舞伎舞踊。長唄。本名題「其面影二人椀久」。作詞者未詳、初世錦屋金蔵作曲。安永3年(1774)江戸市村座初演。狂乱した椀久の夢の中に恋しい傾城(けいせい)松山が現れる。
ひと‐なつかし・い【人懐かしい】
[形][文]ひとなつか・し[シク]ことさら人が懐かしく思われる。人恋しい。「—・い気持ちが募る」
ほう‐ゆう【包有】
[名](スル)包みもつこと。内にもつこと。「ただ恋しいのは、万千子と共に—した、あの自然の理解の時代である」〈三重吉・小鳥の巣〉
眉根(まよね)掻(か)・く
眉がかゆくて掻く。恋しい人に会える前兆とされた。まゆねかく。「月立ちてただ三日月の—・き日(け)長く恋ひし君に逢へるかも」〈万・九九三〉
むしょう‐に【無性に】
[副] 1 ある感情が激しく起こるさま。むやみに。やたらに。「—腹が立つ」「—故郷が恋しい」 2 あとさきを考えずにやみくもに行うさま。むやみに。やたらに。「—めでたがるまい」〈浄・反魂香〉