なら
[副助]《断定の助動詞「なり」の未然形から》体言に付く。話題となるものを取り上げて示す。…について言えば。「母—間もなく帰ると思います」
[並助]《近世語》いくつかの事柄を並列して言うのに用...
な◦らし
[連語]《断定の助動詞「なり」の連体形「なる」に推量の助動詞「らし」の付いた「なるらし」の音変化》 1 …であるらしい。「すむ人もあるかなきかの宿—◦らしあしまの月のもるにまかせて」〈新古今・雑...
なら‐で
[連語]《断定の助動詞「なり」の未然形+接続助詞「で」》…ではなくて。…以外に。「秋—逢ふことかたきをみなへし天の河原に生ひぬものゆゑ」〈古今・秋上〉
なら‐なくに
[連語]《断定の助動詞「なり」の未然形+連語「なくに」》…ではないのに。「めづらしき声—ほととぎすここらの年を飽かずもあるかな」〈古今・賀〉
なら◦む
[連語]《断定の助動詞「なり」の未然形+推量の助動詞「む(ん)」》 1 断定的な推量の意を表す。…であろう。…だろう。「うれしとや思ふと告げ聞かする—◦む」〈枕・八〉 2 仮定の事柄や想像した事...
なり
[助動][なら|なり・に|なり|なる|なれ|なれ]《格助詞「に」+ラ変動詞「あり」の音変化》体言および体言に準じるもの、活用語の連体形、形容動詞の語幹、助詞「と」「て」「ば」などに付く。 1 断...
なり◦けり
[連語]《断定の助動詞「なり」の連用形+過去の助動詞「けり」》…であった。…であったという。…であったよ。「春風の花を散らすと見る夢はさめても胸のさわぐ—◦けり」〈山家集・上〉
なり‐と
《断定の助動詞「なり」+接続助詞「と」から》名詞、名詞に準じる語、副詞、活用語の終止形、助詞などに付く。「なりとも」の形でも使う。 [副助] 1 いくつかあるもののうちの一つを、一応の例として...
なれ‐ど
[接]《断定の助動詞「なり」の已然形+接続助詞「ど」から》「なれども」に同じ。「天気は晴朗。—、波高し」「どこでも大事ござらぬ。—、ちょっと医者殿へ聞いてみての事にして下さい」〈咄・鹿の子餅〉
なれ‐ども
[接]《断定の助動詞「なり」の已然形+接続助詞「ども」から》前の事柄とあとの事柄が、反対・対立の関係にあることを示す。であるが。けれども。なれど。「田舎仏師の拵えたものでございましょう。—金箔を...