いさおし【勲し/功し】
《形容詞「いさおし」の名詞化か》「いさお」に同じ。「—をたたえる」「此難事業に全然の—収め得たる画工が」〈漱石・草枕〉
いさ‐がわ【率川】
奈良市を流れていた川。春日山に源を発し佐保川に注いだ。現在は地下を流れる。能登川。[歌枕]「はね蘰(かづら)今する妹をうら若みいざ—の音のさやけさ」〈万・一一一二〉
いさ‐な【鯨/勇魚】
《枕詞「いさなとり」の「いさな」を「勇魚」と解してできた語》クジラの古名。いさ。〈書言字考節用集〉
いさな‐とり【鯨取/勇魚取】
[名]クジラを捕ること。捕鯨。《季 冬》「為(す)ることは異(かわ)らぬ—ながら」〈露伴・いさなとり〉
[枕]クジラを捕る意から、「海」「浜」「灘(なだ)」にかかる。一説に「いそな(磯魚)と...
いさや‐がわ【不知哉川】
滋賀県東部の霊仙(りょうぜん)山に発し、彦根市を流れて琵琶湖に注ぐ芹川(せりがわ)(大堀川)の古名。いさら川。[歌枕]「犬上の鳥籠(とこ)の山なる—いさとを聞こせ我が名告(の)らすな」〈万・二七一〇〉
い‐ざと・い【寝聡い】
[形][文]いざと・し[ク]《「い」は眠ることの意》目が覚めるのが早い。目が覚めやすい。「祖母は近ごろ—・くなった」「—・き夜居の僧」〈枕・一二四〉 [派生]いざとさ[名]
い‐しずま・る【居鎮まる】
[動ラ五(四)]座にすわって落ち着く。「—・って見ると隙間もる風は刃(やいば)のように鋭く切り込んできていた」〈有島・カインの末裔〉 「講師のぼりぬれば皆—・りて」〈枕・三五〉
石(いし)に漱(くちすす)ぎ流(なが)れに枕(まくら)す
負け惜しみの強いことのたとえ。また、屁(へ)理屈をつけて言い逃れることのたとえ。晋(しん)の孫楚(そんそ)が「石に枕し流れに漱ぐ」というべきところを「石に漱ぎ流れに枕す」と誤り、「石に漱ぐ」とは...
石(いし)に枕(まくら)し流(なが)れに漱(くちすす)ぐ
《「蜀志」彭羕伝から》俗世間から遠ざかって山林に隠れ住み、自由な生活をする。→石に漱ぎ流れに枕す
いし‐まくら【石枕】
1 古墳時代に、遺体の頭部をのせた石製の枕。くぼみがある。石棺の底面につくりつけたものと、棺とは別のものとがあり、前者は西日本、後者は東日本に多い。 2 陶製の枕。夏、昼寝などに用いる。陶枕(と...