ちょう‐り【長吏】
1 中国、漢の官制で、600石以上の俸禄の者。地方では200石から400石くらいの役人。 2 寺の長として、寺務を統轄した役僧。特に、勧修寺・園城寺・延暦寺楞厳(りょうごん)院などで用いられ、他...
つやま‐ばち【津山撥】
三味線の撥の一種。文化年間(1804〜1818)に大坂の津山検校が創始。やや大型で撥先が薄くなっている。地歌でよく用いるほか、箏曲(そうきょく)の山田流でも地歌系の曲で用いる。
つる‐の‐すごもり【鶴の巣籠もり】
囲碁で三子並んだ石が、相手方に駄目が詰まった形で囲まれ、三手開いているのにどうしても逃げられない状態。
尺八曲の一。同名異曲が多いが、いずれも親鶴が子を育てて別れるまでの喜びや悲しみを主...
とりおい【鳥追】
地歌・箏曲(そうきょく)。南枝作詞、松浦検校作曲。謡曲「鳥追舟」の詞章を取り入れた手事物(てごともの)。
謡曲「鳥追舟」の宝生流における名称。
とりべ‐やま【鳥辺山/鳥部山】
鳥辺野(とりべの)の異称。
地歌。近松門左衛門作詞、湖出金四郎作曲、岡崎検校改調とされる。宝永3年(1706)京都の都万太夫座で上演されたおまん・源五兵衛の道行(みちゆき)を原拠とするが、同...
なかのしま‐きんいち【中能島欣一】
[1904〜1984]山田流箏曲(そうきょく)演奏家・作曲家。東京の生まれ。中能島検校の孫。中能島派の4代家元。東京芸大教授。芸術院会員、人間国宝。古典演奏にすぐれ「新晒(しんざらし)」などの編...
なす‐の【那須野】
⇒那須野ヶ原(なすのがはら)
箏曲(そうきょく)。山田流。文化4年(1807)ごろ、山田検校が作曲。玉藻(たまも)の前伝説によったもの。
なつのきょく【夏の曲】
箏曲(そうきょく)。嘉永・安政(1848〜1860)ごろ、2世吉沢検校が作曲した古今組の一。古今集の夏の部から4首を選んで歌詞としたもの。明治中期に松坂春栄が手事(てごと)を作曲、挿入した。
のがわ‐りゅう【野川流】
地歌の流派の一。大坂の野川検校(けんぎょう)が、京都の柳川流から独立して元禄(1688〜1704)ごろに創始。
はぎのつゆ【萩の露】
地歌・箏曲(そうきょく)。川瀬霞紅園作詞、幾山検校作曲。秋の情趣によせて、男に裏切られた女のわびしさをうたったもの。明治初期の成立で、京風手事(てごと)物の最終期の名曲。