ながら‐やま【長等山】
滋賀県大津市の三井寺の後ろの山。[歌枕]「世の中をいとひがてらに来しかども憂き身ながらの山にぞありける」〈後撰・雑三〉
なぐさ‐の‐はま【名草の浜】
和歌山市南部、紀三井(きみい)寺付近の浜。[歌枕]「海人(あま)の刈るみるめを波にまがへつつ—を尋ねわびぬる」〈新古今・恋一〉
なこそ‐の‐せき【勿来の関】
いわき市勿来町付近にあった古代の関所。常陸(ひたち)・陸奥(むつ)の国境にあり、白河の関・念珠(ねず)ヶ関とともに奥羽三関の一。はじめ菊多の関とよばれた。[歌枕]「吹く風を—と思へども道も狭(せ...
なご【奈呉/奈古/那古/名児】
大阪市住吉区の住吉大社の西にあった海岸付近の古名。[歌枕]「住吉(すみのえ)の—の浜辺に馬立てて玉拾(ひり)ひしく常忘らえず」〈万・一一五三〉 富山県新湊(しんみなと)市の放生津江(ほうじょ...
なとり‐がわ【名取川】
宮城県中南部を東流する川。奥羽山脈の二口峠付近に源を発し、仙台市と名取市の境で仙台湾に注ぐ。流域に秋保(あきう)温泉がある。[歌枕]「陸奥(みちのく)にありといふなる—なき名とりては苦しかりけ...
なにわ‐え【難波江】
上代、大阪市の上町台地の西側まで来ていた海域の古称。難波潟。[歌枕]「—の蘆のかりねの一夜ゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき」〈千載・恋三〉
なにわ‐がた【難波潟】
「難波江(なにわえ)」に同じ。[歌枕]「—短き葦の節の間も逢はでこの世を過ぐしてよとや」〈新古今・恋一〉
なにわ‐づ【難波津】
上代、難波江にあった港。また、大阪港の古名。[歌枕]「千鳥鳴くふけひの潟を見渡せば月影さびし—の浦」〈聞書集〉 1 王仁(わに)が詠んだという「難波津に咲くやこの花冬ごもり今を春べと咲くや...
なら‐の‐おがわ【楢の小川】
京都市北区上賀茂の御手洗(みたらし)川の異称。[歌枕]「風そよぐ—の夕暮れはみそぎぞ夏のしるしなりける」〈新勅撰・夏〉
なるみ【鳴海】
名古屋市緑区の地名。もと東海道の宿場町。鳴海絞を特産。古代には海岸で、鳴海潟とよばれた。[歌枕]「いざ知らず—の浦にひく潮のはやくぞ人は遠ざかりにし」〈新撰六帖・三〉 「鳴海絞」の略。