ちゃく【笛】
ふえ。また、ふえの音。「簫(せう)、—、琴…その音も妙(たへ)なりといへども」〈沙石集・六〉
塵(ちり)に同(どう)・ず
《「老子」四章から》俗世間の人と交わる。塵に交わる。→和光同塵「権者の光を和げ、—・ずるもあるらん」〈貞享版沙石集・九〉
つき‐い・ず【突き出づ】
[動ダ下二]ついと出る。飛び出る。「この妻あまりに心憂かりければ、やがて家を—・でて行くを」〈沙石集・七〉
つぶね【奴】
1 しもべ。召し使い。「恩愛の—となりて」〈沙石集・四〉 2 仕えること。奉仕。「朝夕の—もことにまめやかに」〈読・雨月・吉備津の釜〉
なじ‐に
[副]《「なに(何)しに」の音変化という》何ゆえに。どうしたわけで。なぜ。「我はままより先に心得たるぞ。—さかしく教ふる」〈沙石集・八〉
なに‐がし【某/何某】
[名]数量、特に、金銭の額があまり多くないことを漠然と表す。「—かの金を寄付する」
[代] 1 不定称の指示代名詞。人・事物・場所などについて名などがはっきりしないことを表し、あるいはそれを...
なび‐やか
[形動ナリ]優美であるさま。「若き女房の、みめかたち—なるが」〈沙石集・二〉
なま‐こざか・し【生小賢し】
[形シク]どことなく利口ぶっている。生意気である。「—・しきさかしらの出で来るこそ」〈沙石集・四〉
なま・し【生し】
[形シク] 1 なまである。新鮮である。「—・しき鯛はいみじき物ななり」〈今昔・二八・三〇〉 2 十分に熟練していない。未熟である。「衆生の機—・しき時は感応なし」〈沙石集・二〉
にが・る【苦る】
[動ラ四]にがにがしく思う。不愉快なようすをする。「笑ひつる人も—・りてぞ見えける」〈沙石集・三〉