うかれ‐ごころ【浮(か)れ心】
落ち着かない気持ち。特に、陽気に浮き立った気持ち。「詩でも吟じたいような—になって」〈花袋・妻〉
うかれ‐た・つ【浮(か)れ立つ】
[動タ五(四)] 1 楽しくてたまらず、とてもじっとしていられない気持ちになる。ひどく浮かれる。「町中が祝賀の準備で—・つ」 2 気軽にぶらりとでかける。「裾をかしうからげて、路の枝折(しを)り...
うかれ‐だ・す【浮(か)れ出す】
[動サ五(四)]心がうきうきして、調子づきはじめる。「祭りばやしに—・す」
うかれ・でる【浮(か)れ出る】
[動ダ下一] 1 心がうきうきとして外へ出る。「春らしい陽気に—・でる」 2 どこというあてもなく家を出る。「次第不動明王、娑婆の若衆にうっぽれて、路考じゃうどに—・でる」〈根無草・後・一〉
うかれ‐どり【浮かれ鳥】
1 まだ夜が明けないのに、浮き立つように鳴く鶏。「なぞもかく人の心の—別れもよほす声をたつらん」〈万代・恋三〉 2 夜、ねぐらを離れて、浮かれ歩く鳥。「月は出でてもうば玉のよるべ定めぬ—」〈謡・藤〉
うかれ‐びと【浮(か)れ人】
1 美しいものや異性などに心をひかれて、浮かれ歩く人。「—を花に送る京の汽車は」〈漱石・虞美人草〉 2 古代、本籍地を離れ、他郷に流浪する者。浮浪人。「汝は—なり。なんぞ調(つき)を輸(いだ)さ...
うかれ‐びょうし【浮(か)れ拍子】
心を浮き立たせるような三味線などの弾き方。また、そのような調子。浮き拍子。浮かれ調子。
うかれ‐ぶし【浮(か)れ節】
1 三味線に合わせてうたう通俗的な歌。 2 浪花節(なにわぶし)の関西での旧称。
うかれ‐め【浮(か)れ女】
歌や舞をして人を楽しませ、また売春もする女。遊女。娼妓(しょうぎ)。あそびめ。「—に手練あるは当然にて」〈逍遥・当世書生気質〉
うかれ‐もの【浮(か)れ者】
家にじっとしていないで、遊び歩いてばかりいる者。道楽者。