おれ【爾/儞】
[代]二人称の人代名詞。相手を卑しめていう。貴様。おのれ。「虜(いやし)き爾(やっこ)が造れる屋には、—自ら居(いりゐ)よ」〈三条本神武紀〉
おれ‐め【爾奴】
[代]《「め」は卑しめの意をもつ接尾語》二人称の人代名詞。相手を卑しめていう。「—は身共を臆病者にするか」〈虎明狂・清水〉
おれ‐ら【爾等/儞等】
[代]二人称の人代名詞。相手を卑しめていう。きさまら。おのれら。「法師は物をえ書かぬぞ。さらば—書け」〈平家・五〉
し‐か【然/爾】
《指示代名詞「し」+接尾語「か」から》 [副]そのように。さように。「あいなかりける心くらべどもかな、我は—隔つる心もなかりき」〈源・夕顔〉 「生あるもの、死の近き事を知らざる事、牛、既に—な...
しか‐く【然く/爾く】
[副]《副詞「しか」+副詞語尾「く」》そのように。そんなに。「一国の法が—掟(おきて)するならば」〈里見弴・多情仏心〉
しか・り【然り/爾り】
[動ラ変]《副詞「しか」にラ変動詞「あり」の付いた「しかあり」の音変化》そのようである。そのとおりである。そうである。「—・り、君の言うとおり」「俗語などは、はかなきもののようなれども、なかなか...
じ【爾】
[人名用漢字] [音]ジ(漢) ニ(呉) [訓]なんじ それ その 1 なんじ。「爾汝(じじょ)」 2 それ。その。「爾後・爾余・爾来」 3 状態を示す助字。「莞爾(かんじ)・卒爾・徒爾」 [名...
じが【爾雅】
中国の字書。3巻、19編。撰者未詳。周代から漢代の諸経書の伝注を採録したものといわれる。東晋の郭璞(かくはく)の注がある。十三経の一。
じ‐こん【自今/爾今】
今からのち。今後。以後。「—は出入りを差し止める」「—十分に慎みたまえ」
じ‐ご【爾後】
ある事があってからのち。そののち。それ以来。以後。副詞的にも用いる。「—の状況を知らせる」「—彼とは往来が途絶えた」