物(もの)言(い)わぬ花(はな)
美人を「物言う花」というのに対して、草木の花。「—もをかしからず」〈浮・曲三味線・一〉
もの‐う・い【物憂い/懶い】
[形][文]ものう・し[ク] 1 なんとなく心が晴れ晴れしない。だるくておっくうである。「—・い気分」 2 苦しい。つらい。「一夜を明かす程だにも、旅宿(たびね)となれば—・きに」〈太平記・二〉...
もの‐うじ【物倦じ】
「ものうんじ」の撥音の無表記。「あはれと思ひし人の、—してはかなき山里に隠れゐにけるを」〈源・玉鬘〉
もの‐うたがい【物疑ひ】
疑って嫉妬(しっと)すること。「かくわりなき—はせよ」〈源・帚木〉
もの‐うち【物打ち】
太刀(たち)などで物を切るとき、その物に触れて、最もよく切れる部分。先端から10センチほどの部分。切っ先三寸。ものうちどころ。
もの‐うと・し【物疎し】
[形ク]なんとなくいとわしい。どこか親しめない。「もし、賢女あらば、それも—・く、すさまじかりなん」〈徒然・一〇七〉
もの‐うらみ【物恨み】
嫉妬(しっと)して、うらむこと。「まだきに騒ぎて、あいなき—し給ふな」〈源・若菜上〉
もの‐うらめ・し【物恨めし】
[形シク]なんとなくうらめしい。「つれなくて過ぐる月日を数へつつ—・しき暮れの春かな」〈源・竹河〉
もの‐うらやみ【物羨み】
なんとなくうらやましく思うこと。「—し、身のうへなげき」〈枕・二八〉
もの‐うり【物売り】
街頭に立ったり、持ち歩いたりして品物を売ること。また、その人。