いのち‐ぬすびと【命盗人】
むだに長生きしている人。「兼好が見たらば、—と申すべき婆々(ばば)あり」〈浮・一代男・二〉
うし‐ぬすびと【牛盗人】
1 牛を盗む人。牛泥棒。うしぬすっと。 2 口が重く、動作の鈍い人をののしっていう語。「—と言はれうとも後世願ひと言はれな」〈譬喩尽・四〉 3 ウキゴリの別名。 [補説]狂言の曲名別項。→牛盗人
うしぬすびと【牛盗人】
狂言。和泉(いずみ)流。御所の牛を盗んだ者を訴えると褒美は望みしだいという高札を見て、盗人の子が父を訴人し、褒美に父の命ごいをして許される。
うりぬすびと【瓜盗人】
狂言。瓜盗人が、畑の持ち主の化けたかかしとも知らず、かかしを相手に芸のけいこを始め、懲らしめられる。
おお‐ぬすびと【大盗人】
大どろぼう。また、人をののしっていうときにも用いる。
おん‐ぬすびと【恩盗人】
恩を受けながらそれを忘れている者をののしっていう語。恩知らず。「日本の恩を受けて恩を知らぬ—」〈浄・国性爺後日〉
くもぬすびと【蜘盗人】
狂言。和泉(いずみ)・大蔵流。連歌の会のようすを見たさに忍び込んだ男が盗人とまちがえられるが、蜘蛛に関する句を巧みに付けて酒宴に入れてもらう。
くらい‐ぬすびと【位盗人】
それにふさわしい才能や実力もないのに高位高官にある者をののしっていう語。
こく‐ぬすと【穀盗人/穀盗】
1 甲虫目コクヌスト科の昆虫。体長約8ミリ。体は楕円形で平たく、濃褐色から赤褐色。世界共通種で、主に米穀の害虫。 2 コクヌスト科の昆虫の総称。体は卵形から長形で多少平たい。多くは樹皮下にいる。...
こぬすびと【子盗人】
狂言。盗みに入った男が、寝かしてある幼児のかわいらしさにひかれ、抱いたり、あやしたりしているうちに乳母に見つかる。