は‐おと【羽音】
1 鳥がはばたく音。また、虫の飛ぶ音。はねおと。 2 風を切って飛ぶ矢羽の音。
は‐おり【羽織】
1 和装で、長着の上に着る丈の短い衣服。襟を外側に折り、胸元で羽織ひもを結ぶ。 2 「羽織芸者」の略。「それは…辰巳の—から寄こされた使いの者であった」〈谷崎・刺青〉
はおり‐おとし【羽織落(と)し】
歌舞伎で、色男役がぼうっと魂が抜けたようになり、着ている羽織がいつのまにか脱げ落ちてしまう所作。
はおり‐げいしゃ【羽織芸者】
《羽織を着て客席に出たところから》江戸、深川の芸者。辰巳(たつみ)芸者。
はおり‐ごろ【羽織ごろ】
《羽織を着たごろつきの意。「羽織破落戸」とも書く》りっぱな身なりをしながら、ごろつきのような所業をする者。「実業家というと聞えが好いが近頃の奴は—の方に近い」〈魯庵・社会百面相〉
はおり‐はかま【羽織袴】
羽織と袴。また、それらを身につけた改まった服装。「—で威儀を正す」
はおり‐ひも【羽織紐】
羽織の胸元が開かないように結んで留める紐。
は‐お・る【羽織る】
[動ラ五(四)]《名詞「はおり(羽織)」の動詞化》着物の上から軽く掛けるようにして着る。「ガウンを—・る」
は‐かぜ【羽風】
1 鳥や虫が羽を動かすときに起きる風。 2 舞う人の袖の動きが起こす風。「求子(もとめご)舞ひてかよる袖どものうち返す—に」〈源・匂宮〉
は‐がい【羽交い】
1 鳥の左右の翼が重なる所。 2 鳥のはね。つばさ。「せめて—の今少し丈夫になるまでは」〈蘆花・思出の記〉