いき‐せ・く【息急く】
[動カ五(四)]「息急き切る」に同じ。「老婆は—・きながら」〈独歩・死〉
牛(うし)にひかれて善光寺(ぜんこうじ)参(まい)り
《信心のない老婆が、さらしていた布を角にかけて走っていく牛を追いかけ、ついに善光寺に至り、のち厚く信仰したという話から》思ってもいなかったことや他人の誘いによって、よいほうに導かれることのたとえ。
うば【姥/媼/祖母】
1 年とった女。おうな。老女。老婆。 2 能面の一。老女の顔を表したもの。脇能の尉(じょう)のツレ面としての用法が古く、檜垣(ひがき)・卒都婆(そとば)小町などのシテ、高砂・淡路などのツレに用い...
うば‐ぐち【姥口】
1 歯のない老婆の口。 2 茶道で、周囲が盛り上がり、口のすぼまった形をした釜・香炉・水指(みずさし)などのこと。 3 物のふたなどがきちんと合わないで、少しあいていること。
うりこひめ【瓜子姫】
昔話の一。また、その女主人公。老婆が川で拾った瓜から生まれた瓜子姫は、美しく成長する。姫は殿様への嫁入り支度として毎日機(はた)を織るが、天邪鬼(あまのじゃく)が現れて妨害する。姫は雀(すずめ)...
おに‐ばば【鬼婆】
1 老婆の姿をした鬼。おにばばあ。「安達原(あだちがはら)の—」 2 残酷で無慈悲な老女をののしっていう語。おにばばあ。
お‐ば【御婆/姥】
老婆。老女。〈名義抄〉
げす‐ば・る【下種張る】
[動ラ五(四)]卑しい振る舞いをする。卑しい根性を出す。「何だか貪慾(どんよく)な—・った老婆のように」〈三重吉・小鳥の巣〉
こそで‐ぐるみ【小袖包み】
絹織物の上等な衣服にくるまっていること。ぜいたくな生活をしていること。おかいこぐるみ。「あの老婆(ばばあ)もこの頃は—でね」〈人・花筐・三〉
ごなん‐の‐もち【御難の餅】
日蓮宗で、9月12日に日蓮の像に供える餅。日蓮が文永8年(1271)9月12日相模国の竜(たつ)の口の刑場へ引かれていく途中、老婆が餅を供した故事によるという。《季 秋》