ゆ・す【揺す】
[動サ変]琴(きん)を弾くときに、弦を左の指で押してゆすり、余韻を波打たせる。「昼はいと人繁く、なほ一たびも—・し按ずるいとまも心あわたたしければ」〈源・若菜下〉
ゆすり‐み・つ【揺すり満つ】
[動タ四]その場にいる人がみな騒ぎたてる。ざわめく。「ここらの男女、上下、—・ちて泣きとよむに」〈源・若菜上〉
ゆた‐け・し【豊けし】
[形ク] 1 ゆったりしている。「海原の—・き見つつ葦(あし)が散る難波に年は経ぬべく思ほゆ」〈万・四三六二〉 2 盛んである。盛大である。「最勝王経、金剛般若寿命経など、いと—・き御祈りなり」...
ゆる・ぶ【緩ぶ/弛ぶ】
《「許す」と同語源。古くは「ゆるふ」》 [動バ四] 1 「ゆるむ1」に同じ。「箏の琴のいたう—・びたるを」〈狭衣・二〉 2 「ゆるむ2」に同じ。「心安き独り寝の床にて—・びにけりや」〈源・末摘...
ようさり‐つ‐かた【夜さりつ方】
「よさりつかた」の音変化。「—、二条院へ渡り給はむとて」〈源・若菜下〉
よさり‐つ‐かた【夜さりつ方】
《「つ」は「の」の意の格助詞》夜になる時分。夕方。ようさりつかた。「—、二条院へ渡り給はむとて」〈源・若菜下〉
よな‐よな【夜な夜な】
《「な」は接尾語》 1 (多く副詞的に用いる)夜が来るごとに起こること。毎晩。夜ごと。「—悪夢にうなされる」 2 多くの夜。夜々。「独り大殿ごもる—多く」〈源・若菜下〉
世(よ)に◦経(ふ)
1 この世に生き長らえる。「花の色はうつりにけりないたづらに我が身—◦経るながめせしまに」〈古今・春下〉 2 出家の身ではなく、俗人として暮らす。「わが身も—◦ふる様ならず、跡絶えて止みなばや」...
よ‐の‐かため【世の固め】
世の中をしっかりと治めること。また、その地位・人。「つひには—となるべき人なれば」〈源・若菜上〉
わか‐な【若菜】
1 春に芽ばえたばかりの食用になる草。「—を摘む」 2 年頭の祝儀に用いる七種の新菜。古く宮中で、正月の初の子(ね)の日(のち7日)に、万病を除くとしてこれを羹(あつもの)にして食べる習わしがあ...