しょう【蕉】
[人名用漢字] [音]ショウ(セウ)(呉)(漢) 1 植物の名。バショウ。「芭蕉」 2 松尾芭蕉(ばしょう)のこと。「蕉風・蕉門」
しょう‐ふう【正風】
1 物事の、あるべき正しい姿。 2 「正風体(しょうふうてい)」に同じ。 3 「蕉風(しょうふう)」に同じ。
しょうふう‐てい【正風体】
1 正しい風体。特に歌学で、伝統的な作風による品格の高い歌体。しょうふうたい。 2 近世の俳諧で、正しい俳風・風体。主として蕉風についていう。しょうふうたい。
ぞくだん‐へいわ【俗談平話】
蕉風の俳論で、俳諧は日常の俗語・話し言葉を用い、それを雅語に匹敵するものに高めて風雅を表すべきだとするもの。
だんりん‐ふう【談林風】
大坂の西山宗因を中心に延宝年間(1673〜1681)に盛行した俳諧の一派。また、その俳風。貞門一派の伝統的な方式に対し、奇抜な俳風で自由な表現形式をとった。蕉風(しょうふう)が興るとともに衰退。...
てんめい‐ちょう【天明調】
安永・天明(1772〜1789)のころ、与謝蕪村・加藤暁台(きょうたい)・三浦樗良(ちょら)・大島蓼太(りょうた)・高桑闌更(らんこう)らが蕉風への復帰を唱えて興った俳風。
におい‐づけ【匂い付け】
連句の付合(つけあい)手法の一。前句と付句との間に気分・情趣の照応や調和をはかる付け方。特に、蕉風(しょうふう)で用いられた。
はいかい‐の‐れんが【俳諧の連歌】
連歌の一体。もと、余興として作られた、卑近なこっけい味を主とする連歌。室町末期、山崎宗鑑・荒木田守武らによって独自の文芸となり、江戸時代、松永貞徳・西山宗因らを経て、松尾芭蕉に至り蕉風俳諧として...
ばしょうおうにじゅうごかじょう【芭蕉翁廿五箇条】
江戸中期の俳諧作法書。1冊。享保11年(1726)刊。芭蕉の作といわれるが、各務支考(かがみしこう)の偽作かとされる。蕉風俳諧の付合(つけあい)の作法25か条を説いたもの。貞享式(じょうきょうしき)。
ばしょうしちぶしゅうひょうしゃく【芭蕉七部集評釈】
安東次男による、松尾芭蕉「七部集」の評釈本。昭和48年(1973)刊行。連句の評釈を通じて蕉風の本質に迫る。続編は昭和53年(1978)に刊行。