く‐ぜん【瞿然】
[ト・タル][文][形動タリ]驚いて見るさま。驚いて顔色を変えるさま。「—として悟りたまえりとなり」〈露伴・運命〉
唇(くちびる)を翻(ひるがえ)・す
「唇を反(かえ)・す」に同じ。「見る人眉を顰(ひそ)め、聴く人—・す」〈太平記・一〉
くに‐み【国見】
天皇や地方の長(おさ)が高い所に登って、国の地勢、景色や人民の生活状態を望み見ること。もと春の農耕儀礼で、1年の農事を始めるにあたって農耕に適した地を探し、秋の豊穣を予祝したもの。「天の香具山登...
くび‐つき【首付き/頸付き】
首のようす。首のかっこう。「蝸牛(まいまいつぶろ)が日和を見るという—をして」〈紅葉・二人女房〉
くぼ・い【凹い/窪い】
[形][文]くぼ・し[ク] 1 まわりより低くなっている。へこんでいる。くぼんでいる。「前歯の抜けた—・い口が」〈嘉村・途上〉 2 劣っている。また、身分が低い。卑しい。「囲(かこは)れは長屋の...
くまぐま・し【隈隈し】
[形シク] 1 物の陰に隠れてよく見えない。薄暗くて見えにくい。「火はほのかにまたたきて、…ここかしこの、—・しくおぼえ給ふに」〈源・夕顔〉 2 樹木がこんもりと茂り、陰がある。「この前栽の、い...
くま‐な・し【隈無し】
[形ク] 1 影や曇りがない。隠れるところがない。「月は—・きをのみ見るものかは」〈徒然・一三七〉 2 隠し隔てがない。わだかまりがない。「好色事(すきごと)ども、かたみに—・く言ひ表し給ふ」〈...
くも【雲】
1 空気中の水分が凝結して、微細な水滴や氷晶の群れとなり、空中に浮かんでいるもの。高度や形状によって種類を分ける。→雲級 2 ㋐確かでない形・行動・所在などのたとえ。→雲を掴(つか)む ㋑き...
くも‐すき【雲透き】
暗所で物を透かして見ること。薄明かりの中で物を見ること。また、薄明かり。「—に見奉りけるに、物具、事柄尋常なり」〈平治・中〉
くも‐の‐おうぎ【雲の扇】
能の型の一。左手を前方に出して、開いた扇を右手に持ってその上に重ね、扇を斜め上方に、左手を斜め下方に引き分けるもの。遠方や空を見るときの動作。天の扇。