しゃ【這】
[人名用漢字] [音]シャ(慣) [訓]この これ はう この。これ。「這箇(しゃこ)・這般」 [難読]這子(ほうこ)
しゃ‐こ【這箇】
[代]これ。これら。この。「—の消息を瞥見し得たるに」〈河上肇・貧乏物語〉 [補説]宋の時代に、「これ」「この」の意味を「遮個」「適箇」と書いたが、この「遮」「適」の草書体を「這」と混同したこと...
しゃ‐はん【這般】
《「這」は、中国宋代の俗語で「此」の意》(多く「の」を伴って)これら。この辺。このたび。今般。「—の事情により」
しゃ‐り【這裏】
《「這」は「此」の意》このうち。この間(かん)。「むかっ腹をたててぷんぷんするのでも—の消息は会得できる」〈漱石・吾輩は猫である〉
はい‐あが・る【這い上(が)る】
[動ラ五(四)] 1 はって上がる。はうようにして上にあがる。「がけを—・る」 2 苦労して悪い状態を切り抜ける。ある地位に達する。「最下位から—・る」
はい‐いり【這ひ入り】
1 這って中にはいること。「ともし火の消えて、—に暗ければ」〈かげろふ・下〉 2 門の入り口。はいり口。「妹が家の—に立てる青柳に今やなくらむ鶯の声」〈後撰・春上〉
はい‐い・る【這ひ入る】
[動ラ四]這って中へはいる。「村雨のまぎれにて、え知り給はぬに、かろらかにふと—・り給ひて」〈源・賢木〉
はい‐かく・る【這ひ隠る】
[動ラ下二]這うようにしてこそこそと隠れる。ひそみ隠れる。「世離れたる海づらなどに—・れぬるをりかし」〈源・帚木〉
はい‐こ・む【這い込む】
[動マ五(四)] 1 這って中に入り込む。這い入る。「縁側へ上って座舗(ざしき)へ—・み」〈二葉亭・浮雲〉 2 夜ばいをする。「奴は下女癖があると見えて今でも下女に—・む」〈魯庵・社会百面相〉
はい‐こも・る【這ひ籠もる】
[動ラ四]這い込んで中にこもる。「人げなう、たださる方に—・りて過ぐしつべし」〈源・東屋〉