なえ‐ば・む【萎えばむ】
[動マ四]衣服などがくたくたになる。また、糊(のり)が落ちて柔らかになる。「うちとけ—・める姿に」〈源・野分〉
ね‐すぐ・す【寝過ぐす】
[動サ四]「寝過ごす」に同じ。「恐ろしと思ひ明かし給ひける名残りに—・して」〈源・野分〉
の‐わき【野分き】
《野の草を風が強く吹き分ける意》秋から冬にかけて吹く暴風。特に、二百十日・二百二十日前後に吹く台風。のわきのかぜ。のわけ。《季 秋》「吹きとばす石は浅間の—かな/芭蕉」 源氏物語第28巻の巻...
のわき‐だ・つ【野分き立つ】
[動タ四]野分きらしい風が吹く。「—・ちて、にはかに肌寒き夕暮れのほど」〈源・桐壺〉
のわき‐の‐かぜ【野分きの風】
「野分き」に同じ。「夜すがらの—の跡見ればすゑふす萩に花ぞまれなる」〈玉葉集・秋上〉
の‐わけ【野分け】
「野分き」に同じ。「さらぬだに下葉折れゆくかるかやの—にあへる景色やいかに」〈丹後守為忠百首〉
はい‐まじ・る【這ひ交じる】
[動ラ四]這いのびて入り交じる。「朝顔の—・れる籬(ませ)もみな散り乱れたるを」〈源・野分〉
はい‐わた・る【這ひ渡る】
[動ラ四] 1 這って渡る。また、這うようにして行く。「物のそばよりただ—・り給ふほどぞ、ふとうち見えたる」〈源・野分〉 2 近い距離で、車など用いずに歩いて行く。「乗り物なきほどに—・るほどな...
はん‐こう【版行/板行】
[名](スル) 1 書物や文書などを印刷して発行すること。刊行。「江戸末期に—された名所図絵」 2 印判。はん。はんこ。「丸で—におした様な事をぺらぺらと一通り述べたが」〈漱石・野分〉 [アクセ...
ひ‐どう【飛動】
[名](スル)飛び動くこと。勢いよく活動すること。躍動。「一字一画に満腔の精神が—して居る」〈漱石・野分〉