く・える【崩える/壊える】
[動ア下一][文]く・ゆ[ヤ下二]くずれる。「土が柔かで—・えますから地面は歩行(ある)かれません」〈鏡花・高野聖〉
く‐がい【公界】
1 表向き。晴れの場所。公儀。「述懐は私事(わたくしごと)、弓矢の道は—の義」〈太平記・一九〉 2 世間。人なか。人前(ひとまえ)。「何事が起こった。こりゃここは—ぢゃぞ」〈浄・生玉心中〉 3 ...
くぐも・る
[動ラ五(四)]《古くは「くくもる」》 1 声などが、中にこもる。はっきりしない。「音曲の音が—・るように聞こえて来たり」〈有島・或る女〉 2 口ごもる。「とがむべき口も—・り」〈色道大鏡・一四〉
くさ‐がくれ【草隠れ】
1 茂った草の陰に隠れること。また、そういう場所。「大木の倒れたのが—に其の幹をあらわしている」〈鏡花・高野聖〉 2 草深い田舎の隠れ家。「かかる—に過ぐし給ひける」〈源・蓬生〉
くさのふしど【草の臥所】
津島佑子の短編小説。同作を表題作とする小説集は昭和52年(1977)刊行で、同年の第5回泉鏡花文学賞を受賞。
くさめいきゅう【草迷宮】
泉鏡花の小説。明治41年(1908)刊行。死んだ母親の面影を求めて旅をする青年の彷徨を描く。
く‐じ【公事】
1 公務。 2 朝廷の政務・儀式。「今日は—ある日なれば、とく参らるらむ」〈大鏡・伊尹〉 3 中世、年貢以外の雑税・夫役(ぶやく)の総称。 4 訴訟およびその審理・裁判。「賢し人、出でて—ども定...
くだん【件】
《「くだり(件)」の音変化。1、2はふつう「くだんの」の形で用いる》 1 前に述べたこと。例の。くだり。「—の用件で話したい」 2 いつものこと。例のもの。「—の売卜者(うらない)の行灯が」〈鏡...
くち‐ずさみ【口遊み】
1 詩や歌などを、心に思い浮かぶまま軽く声に出すこと。 2 いつも愛唱される歌や言葉。「なかにも恋の歌は、いたく人の—にもし侍る」〈今鏡・六〉 3 うわさをすること。また、話の種。評判。「あはれ...
くち‐まえ【口前】
話しぶり。言い回し。「貴下は—が巧(うま)くって、調子が可(い)いから」〈鏡花・婦系図〉