かり‐の‐こ【雁の子】
1 ガンやカモなどの水鳥のひなを慈しんでいう語。「鳥座(とぐら)立て飼ひし—巣立ちなば真弓の岡に飛び帰り来(こ)ね」〈万・一八二〉 2 ガンの卵。また広く鳥の卵をいう。「三月(やよひ)晦日方(つ...
かり‐の‐たまずさ【雁の玉章】
「雁の使い」に同じ。「霧晴れぬ空にはそこと知らねどもくるを頼むの—」〈新後拾遺・秋上〉
かり‐の‐たより【雁の便り】
「雁の使い」に同じ。
かり‐の‐つかい【雁の使ひ】
《「漢書」蘇武伝の、匈奴(きょうど)に捕らえられた前漢の蘇武が、手紙を雁の足に結びつけて放ったという故事から》便り。手紙。かりのたまずさ。かりのたより。かりのふみ。雁書。雁信。雁使(がんし)。「...
かり‐の‐ふみ【雁の文】
「雁の使い」に同じ。
かりはな‐の‐くつ【雁鼻の沓】
先端を高く反らせた形に作った黒漆塗りの浅沓(あさぐつ)。かりはな。
かり‐びし【雁菱】
⇒雁金菱(かりがねびし)
かり‐また【雁股】
鏃(やじり)の一。先が二またに分かれ、内側に刃をつけたもの。飛ぶ鳥や走っている獣の足を射切るのに用いる。また、それをつけた矢。
がん【雁/鴈】
カモ目カモ科の鳥のうち、ハクチョウ類を除いた大形のものの総称。雌雄同色で、羽色は一般に地味な褐色。草食性。多くは北半球の北部で繁殖し、日本にはマガン・ヒシクイなどが冬鳥として渡来、湖・沼・湿地・...
がん【雁】
森鴎外の小説。明治44年〜大正2年(1911〜1913)発表。高利貸しの妾(めかけ)お玉と、大学生岡田との結ばれぬ淡い恋を描く。