い‐や【弥】
[副]《程度がはなはだしいさまを表す副詞「や」に接頭語「い」の付いたもの》 1 いよいよ。ますます。「明治の御代も—栄えて」〈独歩・あの時分〉 「去年(こぞ)見てし秋の月夜(つくよ)は渡れども相...
いや‐し・く【弥頻く】
[動カ四]ますます頻繁になる。「鳴く鶏は—・き鳴けど降る雪の千重(ちへ)に積めこそ我が立ちかてね」〈万・四二三四〉
いり‐しお【入(り)潮/入り汐】
1 引き潮。干潮。「霜枯れの横野の堤風さえて—遠く千鳥鳴くなり」〈続古今・冬〉 2 満ち潮。差し潮。満潮。「浦荒れて風よりのぼる—におろさぬ舟ぞ波に浮きぬる」〈玉葉集・雑二〉
いる‐さ【入るさ】
《「さ」は接尾語》月などのはいる時、または、はいる方角。いりがた。多くは歌枕「いるさの山」にかけて用いる。「夕月夜—の山の木隠れにほのかにも鳴くほととぎすかな」〈千載・夏〉
いわれ‐の‐いけ【磐余の池】
桜井市阿部から橿原(かしはら)市池尻町付近にあった池。埴安(はにやす)の池。[歌枕]「ももづたふ—に鳴く鴨を今日のみ見てや雲隠りなむ」〈万・四一六〉
寝(い)を◦寝(ぬ)
眠る。睡眠をとる。「家思ふと—◦ねずをれば鶴(たづ)が鳴く葦辺も見えず春の霞に」〈万・四四〇〇〉
うかれ‐がらす【浮かれ烏】
1 月に浮かれて、ねぐらに帰るのも忘れ、鳴き騒ぐ烏。浮気烏。「月さえて山は梢の静けきに—の夜ただ鳴くらむ」〈新撰六帖・六〉 2 夜、浮かれ歩く人。遊客。浮気烏。「冷てえ風もほろ酔ひに、心持ちよく...
うかれ‐どり【浮かれ鳥】
1 まだ夜が明けないのに、浮き立つように鳴く鶏。「なぞもかく人の心の—別れもよほす声をたつらん」〈万代・恋三〉 2 夜、ねぐらを離れて、浮かれ歩く鳥。「月は出でてもうば玉のよるべ定めぬ—」〈謡・藤〉
うき‐ふし【憂き節】
つらいこと。悲しいこと。「節」を「竹の節」に掛けていうことが多い。「世に経れば言の葉しげき呉竹(くれたけ)の—ごとに鶯(うぐひす)ぞ鳴く」〈古今・雑下〉
うし‐がえる【牛蛙】
アカガエル科のカエル。体長15〜20センチ。体色はふつう雄は暗緑色、雌は褐色で、ともに黒褐色の斑紋がある。雄の鼓膜は雌より大きい。雄は牛に似た太い声で鳴く。北アメリカの原産で、大正時代に輸入され...