つゆ‐ばかり【露許り】
[副]わずかばかり。ほんのすこし。「—なれどいと嬉しかりけり」〈源・藤袴〉
つゆ【露】
[名] 1 晴れた朝に草の上などにみられる水滴。地面や物体が露点以下の温度まで冷えると、大気中の水蒸気が凝結して生じる。「葉に—を置く」《季 秋》「市人の物うちかたる—のなか/蕪村」 2 わず...
つゆ‐の‐やどり【露の宿り】
露のおくところ。また、露のおいている宿。露の宿。「わが袖は草の庵にあらねども暮るれば—なりけり」〈伊勢・五六〉
つばき【椿/山茶/海石榴】
1 ツバキ科の常緑高木。本州以南に自生するが、関東以北では海岸地帯に点在し、ヤブツバキともいう。高さ3〜7メートル。葉は楕円形で厚く、つやがある。春、赤い花をつける。花びらは5枚あり下部が合着し...
つな‐ひ・く【綱曳く】
[動カ四] 1 牛馬などが、綱を引かれてさからう。「あまた年こゆる山辺に家居して—・く駒もおもなれにけり」〈かげろふ・中〉 2 意地を張る。強情を張る。「しかあらためむとも言はず、いたく—・きて...
つのくに‐の【津の国の】
[枕]摂津(せっつ)の国にある地名と同音の「なには」「泣かず」「来(こ)や」「長らへ」「見つ」などにかかる。「いにしへのながらの橋も—なには朽ちせずなほ残りけり」〈新千載・雑下〉
て‐や
[連語] 《接続助詞「て」+間投助詞「や」。近世語》他に対する願望を表す。…ておくれ。…てよ。「駕籠(かご)の衆早う連れまし—」〈浄・博多小女郎〉
《終助詞「て」+間投助詞「や」。近世語》軽...
てんぐ‐たけ【天狗茸】
テングタケ科のキノコ。有毒。夏から秋、松林などに生える。大形で、高さ約20センチ。傘は褐色で白いいぼが点在し、柄は白色で中ほどに白い膜をもつ。はえとりたけ。《季 秋》「—立けり魔所の這入口(はい...
つき‐かげ【月影】
1 月の形。月の姿。月。《季 秋》「—をくみこぼしけり手水鉢/立圃」 2 月の光。月のあかり。月光。「淡い—」 3 月光に照らされて映る人や物の姿。「ほのかなりし—の見劣りせずは、まほならむはや...
とど
[副] 1 戸をたたく音や馬の駆ける足音など、響き渡る音を表す語。「馬の音の—ともすれば松陰に出でてそ見つるけだし君かと」〈万・二六五三〉 2 よたよたよろめくさま。「—走りて倒れにけり」〈盛衰...