まつ‐の‐ことのは【松の言の葉】
《古今集・仮名序に「松の葉の散りうせずして」とあるところから》和歌のこと。「住吉の—変はらずは神代にかへれ敷島の道」〈新千載・神祇〉
まつのざい‐せんちゅう【松の材線虫】
線虫の一種。体長約1ミリ。マツノマダラカミキリによって媒介され、そのかみ傷から材中に侵入して繁殖し、松枯れを起こす。材中でカミキリの幼虫が羽化すると体内に移り、運ばれる。日本には米国から渡来。
まつ‐の‐と【松の戸】
松の木や枝で作った板戸または編み戸。松の下陰にある戸。まつのとざし。まつのとびら。まつのとぼそ。「山深み春ともしらぬ—に絶えだえかかる雪の玉水」〈新古今・春上〉
まつ‐の‐は【松の葉】
1 松の木の葉。まつば。 2 贈り物の上包みなどに、粗末な品物の意を表すためにしるす語。寸志。「ほんの手土産、—ぢゃと思うて下され」〈伎・助六〉
まつのは【松の葉】
江戸中期の歌謡集。5巻。秀松軒(しゅうしょうけん)編。元禄16年(1703)刊。当時の上方で伝承・演奏されていた三味線歌曲の歌詞を分類・集成したもの。
まつのは‐の【松の葉の】
[枕]松の葉が常緑であるところから、「いつとも分かぬ」「散りうせず」「久し」などにかかる。「—いつとも分かぬ恋もするかな」〈古今・恋一〉
まつ‐の‐ま【松の間】
江戸城中の外様(とざま)大名の詰め所。大廊下とのしきりの襖(ふすま)に、狩野探幽の筆による松の絵が描かれていた。
まつのまだら‐かみきり【松の斑天牛】
カミキリムシ科の昆虫。体長3センチくらい。前翅(まえばね)に黒と白の斑がある。成虫は5〜9月に出現し、松の枯れ枝に産卵。幼虫は松の材部を食害する。また成虫はマツノザイセンチュウを媒介。本州以南に分布。
まつのみどり【松の緑】
長唄。杵屋六翁(4世六三郎)が、娘の改名披露の祝賀曲として作曲。天保11〜安政2年(1840〜1855)の成立。素踊りとしても用いられる。 うた沢。仮名垣魯文作詞、哥沢土佐太夫作曲。芝派だけ...
まつのやひっき【松屋筆記】
江戸後期の随筆。120巻。小山田与清(おやまだともきよ)著。明治41年(1908)刊。文化末年(1818)から弘化2年(1845)ころまでの約30年間にわたり、古今の書物の記事を抜き書きし、考証...