あま‐つ‐みず【天つ水】
[名]天の水。天から降る水。雨。「みどり子の乳乞ふがごとく—仰ぎてそ待つ」〈万・四一二二〉 [枕]日照りに雨を待ち望む意から、「仰ぎて待つ」にかかる。「—仰ぎて待つに」〈万・一六七〉
あま‐づた・う【天伝ふ】
[動ハ四]《「あまつたう」とも》大空を伝い渡る。「ひさかたの—・ひ来る雪じもの」〈万・二六一〉
あま‐づたう【天伝ふ】
[枕]「日」にかかる。「—日笠(ひかさ)の浦に波立てり見ゆ」〈万・一一七八〉
あまてら◦す【天照らす】
[連語]《「す」は尊敬の助動詞。古くは「あまでらす」とも》 1 天に光り輝いておいでになる。「—◦す神の御代より」〈万・四一二五〉 2 天下を治めていらっしゃる。「平らけく安らけく—◦し治め聞こ...
あま‐て・る【天照る】
[動ラ四]空に光る。天に輝く。「ひさかたの—・る月の隠りなば何になそへて妹を偲はむ」〈万・二四六三〉
あま‐と・ぶ【天飛ぶ】
[動バ四]大空を飛ぶ。「ひさかたの—・ぶ雲にありてしか君をあひ見む落つる日なしに」〈万・二六七六〉
あまとぶ‐や【天飛ぶや】
[枕] 1 空を飛ぶ雁の意から「かり」、また地名の「かる」にかかる。「—軽(かる)の路(みち)は」〈万・二〇七〉 2 うち振る領巾(ひれ)が空飛ぶ雲に似るところから、「ひれ」にかかる。「ひさかた...
あま‐の‐かぐやま【天香山/天香具山】
高天原(たかまがはら)にあったといわれる山。 奈良県橿原(かしはら)市の山。標高152メートル。畝傍(うねび)山・耳成(みみなし)山とともに大和三山の一。香具山。あめのかぐやま。[歌枕]「大...
あま‐の‐かわら【天の河原】
1 天の川の河原。「霞立つ—に君待つとい行きかへるに裳の裾ぬれぬ」〈万・一五二八〉 2 高天原にある天安河(あまのやすのかわ)の河原。「ひさかたの—に八百万(やほよろづ)千万神の神集(かむつど)...
あま‐の‐こ【海人の子】
1 漁師の娘。「漁(あさ)りする—どもと人は言へど見るに知らえぬ良人(うまひと)の子と」〈万・八五三〉 2 《船上で世を過ごすところから》遊女。「白浪の寄するなぎさに世を過ぐす—なれば宿も定めず...