たき‐ま・す【焚き増す】
[動サ五(四)]ますます燃やす。よりいっそう火をたく。「今朝よりはいとど思ひを—・てなげきこりつむ逢坂の山」〈新古今・恋三〉
たく‐も【焚く藻】
塩をとるために海藻を焼くこと。また、その海藻。「降る雪に—の煙かき絶えてさびしくもあるかしほがまの浦」〈新古今・冬〉
たぐ・える【類える/比える】
[動ア下一][文]たぐ・ふ[ハ下二] 1 並べて比較する。また、なぞらえる。「他に—・えるものがない」 2 並ばせる。添わせる。「花の香を風のたよりに—・へてぞ鶯(うぐひす)さそふしるべにはやる...
たけ‐の‐そのう【竹の園生】
「竹の園」に同じ。「日暮るれば—にぬる鳥のそこはかとなく音をも鳴くかな」〈続古今・雑下〉
ただ‐ごと【徒言/只言】
《古くは「ただこと」》技巧などを用いない、ありのままの言葉。歌語でも比喩でもない日常の言葉。「これは、—に言ひて、物にたとへなどもせぬものなり」〈古今・仮名序〉
ただごと‐うた【徒言歌】
古今集仮名序の和歌の六義(りくぎ)の一。物にたとえないで、ありのままに詠んだ歌。江戸時代、小沢蘆庵(おざわろあん)が理想の風体として主張した。
ただす‐の‐もり【糺の森】
京都市左京区の賀茂御祖(かもみおや)神社内の森。賀茂川・高野川の合流点にある。和歌で「質(ただ)す」に掛けて用いられることが多い。[歌枕]「偽りを—のゆふだすきかけつつちかへ我をおもはば」〈新...
たち‐かく・す【立ち隠す】
[動サ四]霞や霧などが立ちこめて、さえぎり隠す。「山桜わが見にくれば春霞峰にも尾にも—・しつつ」〈古今・春上〉
たち・く【立ち来/起ち来】
[動カ変] 1 やってくる。来る。「近江より朝—・くればうねの野にたづぞ鳴くなる明けぬこの夜は」〈古今・大歌所御歌〉 2 雲・霧・波・風などがわき起こってくる。「吾家(わぎへ)の方よ雲居—・くも...
たち‐ぬ・う【裁ち縫ふ】
[動ハ四]布を裁って衣服などに縫う。「—・はぬ衣(きぬ)着し人もなきものをなに山姫の布さらすらむ」〈古今・雑上〉