はな‐しね【花稲】
神に供えるため米を紙に包み、木の枝などに結びつけたもの。「山桜吉野詣での—を尋ねん人の袖に包まん」〈夫木・四〉
はな‐すすり【洟啜り】
1 鼻汁をすすること。 2 鼻汁をすすりながら泣くこと。すすり泣き。「女達は、もう—をしながら」〈左千夫・野菊の墓〉
はなぞの‐ぶし【花園節】
新内節の一派。万延元年(1860)吾妻路富士太夫が花園宇治太夫を名のって創始したもの。
はな‐づま【花妻】
1 花のように美しい妻。一説に、間もなく結婚する男女が、一定期間まったく会わずに過ごすときの、その触れることのできない妻。「なでしこがその—にさ百合花ゆりも逢はむと」〈万・四一一三〉 2 鹿がい...
はな‐の‐おとと【花の弟】
《多くの花に遅れて咲くところから》菊のこと。「百草(ももくさ)の—となりぬれば八重八重にのみ見ゆる白菊」〈夫木・一四〉
はなのなまえ【花の名前】
向田邦子の短編小説。夫婦間のすれ違いを描く。昭和55年(1980)発表。同年、「かわうそ」「犬小屋」とあわせ第83回直木賞受賞。
はなのれん【花のれん】
山崎豊子の小説。大阪を舞台に寄席経営者の女性の波乱万丈の人生を描く。昭和33年(1958)刊行。同年、第39回直木賞受賞。菊田一夫の脚色による舞台化作品、豊田四郎監督による映画化作品もある。
はなばなしきいちぞく【華々しき一族】
森本薫の戯曲。昭和10年(1935)発表。映画監督の夫とその弟子、舞踏家の後妻を中心とする家庭劇。作者没後の昭和25年(1950)、文学座が初演。
はなやかなかわとらわれのこころ【華やかな川、囚われの心】
清水邦夫の中編小説。平成3年(1991)「群像」誌に掲載。同作を表題作とする小説集は平成4年(1992)刊行。平成5年(1993)、第43回芸術選奨受賞。
はな・れる【離れる】
[動ラ下一][文]はな・る[ラ下二] 1 くっついているものの一方が動いて別々になる。「足が地を—・れる」「雀が電線から—・れる」 2 あるものとの間に隔たりができる。その位置から遠ざかる。「一...