いち‐くら【肆/市座】
《「いちぐら」とも》奈良・平安時代、市で取引のために商品を並べた所。「市人、四(よも)より集ひて、自然に—をなせり」〈出雲国風土記〉
いちじ‐さんらい【一字三礼】
写経するとき、1字を書くごとに三度礼拝すること。平安末期から鎌倉時代にかけて行われた。「法花経—に書かせ給ひて」〈増鏡・浦千鳥〉
いちじょう【一条】
平安京の条坊の一。また、東西に通じる大路の名。一条大路。
いちじょう‐どおり【一条通り】
京都市上京区を東西に走る道路。京都御所西方、中立売(なかだちうり)通り北側の小路。平安京の一条大路にあたる。
いちじょう‐もどりばし【一条戻橋】
京都市上京区の、堀川に架かる橋。平安京の最も北にあたる一条通りに、洛中と洛外を分ける橋として架けられた。何度も作り直され、現在の橋は平成7年(1995)に架けられたもの。渡辺綱が鬼の腕を切り落と...
いちじょうようけつ【一乗要決】
平安中期の仏教書。3巻。源信著。寛弘3年(1006)成立。天台宗の一乗の立場から唯識(ゆいしき)法相宗の説に反論したもの。
いち‐の‐つかさ【市司】
律令制で、都の市(いち)を監督した役所。平安京では、東西の市のそれぞれに置かれ、左京職・右京職に属した。
いちぶ‐めし【一分召】
平安時代、式部省で諸国の史生(ししょう)・国医師・国博士を任命した除目(じもく)。一分召の除目。
いちめ‐がさ【市女笠】
かぶり笠の一。菅(すげ)などで編み、中央に高く巾子形(こじがた)という突起を作った笠。市女が使用したのでこの名を生じたが、平安中期ごろには上流の女性の外出用となり、男子も雨天のときなどに用いた。
いっこん‐ぞめ【一斤染(め)】
平安時代の染め物の一。紅花(べにばな)1斤で絹1匹を染めること。また、その染めた絹や色。いっきんぞめ。