う‐がい【有涯】
《「有界(うかい)」から》限りある存在。果てのあるもの。この世。人の一生についてもいう。「無常は春の花、風に随って散りやすく、—は秋の月、雲に伴って隠れやすし」〈平家・灌頂〉
うき‐しま【浮島】
宮城県松島湾の塩竈浦にある島。[歌枕]「塩竈の浦の干潟(ひがた)のあけぼのに霞に残る—の松」〈続古今・春上〉
うき‐だい【浮き鯛】
春の大潮のときに、多数の鯛が浮き上がること。また、その鯛。潮流などの影響で水圧が急に減少し、浮き袋の調整ができなくなるために浮く。《季 春》
うきふね【浮舟】
源氏物語第51巻の巻名。また、その女主人公の名。宇治の八の宮の娘。薫(かおる)大将・匂宮(におうみや)の二人との愛に苦しみ、宇治川に入水するが、横川(よかわ)の僧都(そうず)に助けられて尼とな...
うきよ‐え【浮世絵】
江戸時代の風俗、特に遊里・遊女・役者などを描いた絵。江戸の庶民層を基盤に隆盛した。肉筆画と木版画があり、特に版画は菱川師宣(ひしかわもろのぶ)に始まり、鈴木春信らによる多色刷りの錦絵(にしきえ)...
浮世(うきよ)は夢(ゆめ)
《李白「春夜宴桃李園序」から》この世はすべてはかないということを夢にたとえたもの。
うきよ‐びくに【浮世比丘尼】
尼僧の形で売春をした者。「この所も売り子、—のあつまり」〈浮・一代男・三〉
うぐい【鯎/石斑魚】
コイ科の淡水魚。全長約30センチ。うろこは細かく、背部は暗緑褐色、腹部は銀白色。春から初夏の繁殖期には、雌雄とも体側に3本の赤色縦帯の婚姻色を現す。河川や湖にすみ、地方によっては海に入る。食用。...
うぐいす【鶯】
1 スズメ目ウグイス科ウグイス属の鳥。全長は雄が約16センチ、雌が約14センチで、上面は緑褐色、腹部が白く、淡色の眉斑(びはん)がある。東アジアに分布。日本では夏は山地の低木林で繁殖し、冬は平地...
うぐいす‐あわせ【鶯合(わ)せ】
飼育した鶯を持ち寄り、鳴き声の優劣を競うこと。中世、物合わせの一つとして流行し、近世以降も広く行われた。うぐいすかい。《季 春》