あら‐くま・し【荒くまし】
[形シク] 1 ごつごつしている。「枝ざしなどは、いと手触れにくげに—・しけれど」〈枕・四〇〉 2 荒っぽい。粗暴だ。あらくもしい。「物言ひなども—・しい」〈浄・鎌田兵衛〉
あら‐くもし・い【荒くもしい】
[形]《中世から近世にかけての口語》「あらくまし」に同じ。「あの—・い弁慶と判官殿のお契りやった事があるぞ」〈虎明狂・今参〉
あら‐く・る【荒くる】
[動ラ下二]「あらくれる」の文語形。
あらくれ
徳田秋声の長編小説。大正4年(1915)発表。勝気なお島が、本能の赴くままに生きようと男から男へと渡り歩き傷ついていく流転の半生を、写実的に描く。
あら‐くれ【荒くれ】
気性や振る舞いが荒々しいこと。また、その人。「—男」 [補説]書名別項。→あらくれ
あらくれ‐た【荒くれた】
[連語]《動詞「荒くれる」の連用形+完了の助動詞「た」》「荒くれる」に同じ。「—船乗り」
あらくれ‐もの【荒くれ者】
気性が荒く、振る舞いの乱暴な者。
あら‐く・れる【荒くれる】
[動ラ下一][文]あらく・る[ラ下二](多く「あらくれた」の形で用いる)気質が荒く、乱暴に振る舞う。「—・れた男たちの集まり」
あらくろ‐ずり【荒くろ摺り】
東北地方で小正月に行う予祝行事の一。雪の上で、田植えのときに行う代田(しろた)を摺(す)る作業のまねをし、豊作を祈るもの。→朳摺(えぶりす)り