隙(ひま)行(ゆ)く駒(こま)
《「荘子」知北遊から》年月の早く過ぎ去ることのたとえ。隙過ぐる駒。→白駒(はっく)の隙(げき)を過ぐるが如(ごと)し
ひょう‐せつ【氷雪】
1 氷と雪。 2 《「荘子」逍遥遊から》清廉潔白なこと。「—の操」
火(ひ)を以(もっ)て火(ひ)を救(すく)う
《「荘子」人間世から。火で火事を消そうとするという意から》害悪を除こうとしてかえってそれを助長する。状況がますます悪くなるだけで何の益もないたとえ。
び‐りょ【尾閭】
《「荘子」秋水から》大海の底にあって絶えず海水を漏らしているという穴。「—洩らせども乾かず」〈太平記・三四〉
ぶっ‐か【物化】
《「荘子」斉物論から》 1 万物が変化すること。 2 人が死ぬこと。物故。
道(みち)は小成(しょうせい)に隠(かく)れ言(げん)は栄華(えいが)に隠(かく)る
《「荘子」斉物論から》生かじりの知識を振り回すから道の真理が隠れてわからなくなり、むやみに言葉を飾りたてるからその論旨が紛らわしくなる。
道(みち)を聞(き)くこと百(ひゃく)にして己(おのれ)に若(し)く者(もの)莫(な)しと為(な)す
《「荘子」秋水から》道をわずか百ばかり聞いただけで、天下に自分以上の者はないと思い上がる。うぬぼれのはなはだしいことのたとえ。
むかう‐の‐さと【無何有の郷】
《「荘子」応帝王から》自然のままで、何の作為もない理想郷。むかゆうきょう。むかうのきょう。
むよう‐の‐よう【無用の用】
《「荘子」人間世から》一見無用とされているものが、実は大切な役割を果たしていること。不用の用。「—をなす」
めいきょう‐しすい【明鏡止水】
《「荘子」徳充符から》曇りのない鏡と静かな水。なんのわだかまりもなく、澄みきって静かな心の状態をいう。「—の心境」