こ‐よい【今宵】
1 今夜。今晩。「—の月」 2 翌朝になってからみて、昨夜のこと。ゆうべ。「—の風にも、あくがれなまほしく侍りつれ」〈源・野分〉
しょう‐とく【証得】
[名](スル) 1 真理などを悟ること。体得すること。「此便法を—し得ざる時」〈漱石・野分〉 2 悟ってもいないのに、悟ったとうぬぼれること。「—してわれは気色(きそく)したる歌よみ給ふな」〈無名抄〉
すい‐がい【透垣】
《「すきがき」の音変化》板と板、または竹と竹との間を、少し透かしてつくる垣。すいがき。「所どころの立蔀(たてじとみ)、—などやうのもの、乱りがはし」〈源・野分〉
たまかずら‐じゅうじょう【玉鬘十帖】
源氏物語54帖のうち、玉鬘(たまかずら)が中心人物として描かれる玉鬘・初音・胡蝶(こちょう)・蛍・常夏(とこなつ)・篝火(かがりび)・野分(のわき)・行幸(みゆき)・藤袴(ふじばかま)・真木柱の...
だ‐ざい【堕在】
[名](スル)悪い場所や下の地位に落ちて、そのままそこにとどまること。「英霊の俊児、亦遂に鬼窟裏に—して」〈漱石・野分〉
ちゃく・する【着する/著する】
[動サ変][文]ちゃく・す[サ変] 1 ㋐目的地に行き着く。到着する。「浦賀に—・するや否や」〈福沢・福翁自伝〉 ㋑付着する。ぴったりと付く。「衣服に泥が—・する」 ㋒《古くは「ぢゃくする」》あ...
てい・する【訂する】
[動サ変][文]てい・す[サ変] 1 文字や文章などの誤りを正す。訂正する。「朱で—・する」 2 結ぶ。定める。「此両人が卒然と交を—・してから」〈漱石・野分〉
てき‐てき【滴滴】
[名] 1 水などのしたたり。点々と落ちるしずく。「乳の如き—春潮に融けて流る」〈蘆花・自然と人生〉 2 点々とあるようす。「大きな銀杏に墨汁を点じた様な—の烏が」〈漱石・野分〉 [ト・タル...
てき‐れき【的皪】
[ト・タル][文][形動タリ]あざやかに白く輝くさま。「明星と見まがう程の留針が—と耀いて」〈漱石・野分〉
とも‐さき【供先】
1 武家の供まわりの先鋒。「松平侯の—に粗忽で突き当って」〈漱石・野分〉 2 供をして行った先方。