くるま‐びん【車鬢】
《形が車の輻(や)に似ているところから》歌舞伎の鬘(かつら)の一。鬢の毛をいくつかに分けて束ね、油や漆で固めたもの。荒事(あらごと)の主人公や侠客(きょうかく)などに用いる。
こ‐びん【小鬢】
頭の左右前側面の髪。びん。「—のほつれ毛」
さか‐びん【逆鬢】
油気がなく鬢の毛がそそけている状態。一説に、髻(もとどり)を高くして、鬢の毛並みが頭の頂の方に向くように結った男子の髪形。
さし‐びん【差鬢】
鬢張りを入れて、髪の左右の鬢を一段と高く張り出した女性の髪形。寛延・宝暦(1748〜1764)のころに流行。
しゅす‐びん【繻子鬢】
1 江戸時代、毛筋を透かさないでなでつけた、繻子のようにつやのある鬢。 2 《繻子の頭巾(ずきん)をかぶっていたところから》江戸時代、比丘尼(びくに)の姿をした売春婦。
じ‐びん【自鬢】
1 自分で自分の髪を結うこと。また、その髪。「あたまは—のくさたばね」〈魯文・安愚楽鍋〉 2 能で、演者がかつらをつけずに、結ってある自分の髪のままで舞台に出たこと。
せん‐びん【蝉鬢】
蝉(せみ)の羽のように透きとおって見える鬢。女性の美しい髪のたとえ。また、美人のこと。「—肩にふり乱れて」〈読・弓張月・続〉
そう‐びん【双鬢】
左右の鬢の毛。「—に白いものがまじる」
そう‐びん【霜鬢】
霜が降りたように白い鬢の毛。
つけ‐びん【付け鬢】
毛を補ったり、変装のためにつけたりする作りものの鬢。