けい‐せい【傾城/契情】
《「漢書」外戚伝の「北方に佳人有り。…一顧すれば人の城を傾け、再顧すれば人の国を傾く」から。その美しさに夢中になって城を傾ける意》 1 絶世の美女。傾国。 2 遊女。近世では特に太夫・天神など上...
けいせいあさまがたけ【傾城浅間嶽】
歌舞伎狂言。時代物。三番続き。中村七三郎作と伝える。元禄11年(1698)京都早雲座初演。元禄上方歌舞伎の趣向・見せ場を集大成した代表作で、浅間物の祖。
けいせいあわのなると【傾城阿波の鳴門】
歌舞伎狂言。時代物。三番続き。近松門左衛門作。元禄8年(1695)京都早雲座初演。和泉国斑鳩(いかるが)家のお家騒動を描く。 浄瑠璃。時代物。10段。近松半二らの合作。明和5年(1768)大...
けいせいいろじゃみせん【傾城色三味線】
浮世草子。5巻。江島其磧(えじまきせき)作。元禄14年(1701)八文字屋刊。遊里と遊女を描いた24話を収める。
けいせいうたじゃみせん【傾城歌三味線】
浮世草子。5巻。八文字屋自笑・江島其磧(えじまきせき)合作。享保17年(1732)刊。遊女小女郎と玉屋新兵衛の恋物語。小女郎は身請けされるが、最後に尼となる。
けいせい‐かい【傾城買い】
1 遊里で遊女を買って遊ぶこと。女郎買い。 2 歌舞伎で、遊女を買って遊ぶようすを扱った場面。また、その演出。島原狂言で形式が確立し、元禄上方歌舞伎の特徴となった。傾城事。
けいせいかいしじゅうはって【傾城買四十八手】
洒落本。1冊。山東京伝作・画。寛政2年(1790)刊。客と遊女の恋の手管を会話体で描いたもの。
けいせいかいふたすじみち【傾城買二筋道】
洒落本。1冊。梅暮里谷峨(うめぼりこくが)作。寛政10年(1798)刊。うぬぼれ者の好男子と誠実な醜男との、遊女に対する二つの態度を対照的に描き、人情本への移行の過程をも示している。
けいせいきんたんき【傾城禁短気】
浮世草子。6巻。江島其磧(えじまきせき)作。正徳元年(1711)八文字屋刊。1巻4話からなる色道論。
けいせい‐ぐるい【傾城狂ひ】
[名](スル) 1 美女の色香に迷うこと。「大酒を飲んで—をするぞ」〈史記抄・高祖本紀・八〉 2 遊女遊びに夢中になること。「人間一生のうちに一たびは—に取り乱さぬといふ事ひとりなし」〈浮・織留・三〉