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・・・十分にそれを考慮に入れてしかも尚、今日の若き人々が、恋愛について比較的公開的な心持になっているのに、半面愛する者を愛妻として期待しない気持の中には、何かそのままに見過せないものが潜んでいると思う。 日本では、誰にも知られているとおり社会・・・
宮本百合子
「成長意慾としての恋愛」
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・・・私のように、中国文化について知らない者でさえも、謝冰心女士の名は聞いて久しいし、郭沫若と云えば、彼が日本の家の内に愛妻と愛子たちとをのこし故国へ向って脱出した朝の物語までを、心に銘して知っている。 だが、中国の社会の歴史は、近代企業とし・・・
宮本百合子
「春桃」