跡を隠す
1 行方が知れないようにする。「—・す師の行き方や暮れの秋」〈蕪村句集〉 2 死骸を葬る。「我空しくなるならば、…御僧に刀脇差し参らせて、—・せ」〈仮・竹斎・下〉
跡を暗ます
逃げた先がわからないようにする。行方をくらます。「忽然 (こつぜん) と—・す」
跡を絶つ
ある事がすっかり起こらなくなる。絶えてしまう。「その種の事故は—・った」「訪れる人が—・たない」
跡を絶ゆ
1 世間をのがれる。姿を隠す。「深き山に—・えたる人だにも」〈源・澪標〉 2 人の行き来や便りがとだえる。「雪深みみ山の道は晴れずともなほふみかよへあとたえずして」〈源・薄雲〉
跡を垂る
1 《「垂迹 (すいじゃく) 」を訓読みにした語》仏や菩薩 (ぼさつ) が衆生 (しゅじょう) を救うため、仮に神の姿になって現れる。「南には八幡大菩薩、男山に—・れ」〈保元・上〉 2 模範を示す。また、模範とする。「弥陀次郎が跡垂れて発心もならざれば」〈浮・永代蔵・五〉
跡をつける
1 痕跡 (こんせき) をとどめる。跡を残す。 2 人・車などのあとを悟られないようについて行く。尾行する。「怪しい人物の—・ける」
跡を弔う
何らかの因縁のある人の死後の供養をする。 [補説]「後を弔う」とも書く。
跡を濁す
立ち去ったあとに醜い状態を残す。「立つ鳥—・さず」
跡を踏む
先人の事跡を手本にして行う。「わが山のさかゆく道を尋ねつついかで昔の—・ままし」〈続拾遺・雑上〉
跡を守る
1 留守の間を守る。 2 親や夫、あるいは師の死後、故人の業を受け継ぎ、それを絶やさないようにする。