おきつなみ【沖つ波】
[名]沖に立つ波。「—来寄する荒磯 (ありそ) をしきたへの枕とまきて寝 (な) せる君かも」〈万・二二二〉 [枕]波の動く状態から「競 (きほ) ふ」「頻 (し) く」「高し」「立つ」「撓 (とを) む」などにかかる。「—撓む眉引 (まよび) き」〈万・四二二〇〉 「—たかしの浜の」〈古今・雑上〉
おきつのり【興津海苔】
オキツノリ科の紅藻。本州・九州などの海岸の潮間帯に多くみられ、高さ約5センチ。やや硬くて扁平で、枝分かれして扇状に広がる。食用。きくのり。
おきつみかみ【沖つ御神】
沖を支配する神。また、沖または沖の島を神格視していった語。「珠洲 (すず) の海人 (あま) の—にい渡りて」〈万・四一〇一〉
おきつもの【沖つ藻の】
[枕]沖の藻が波になびくところから「靡 (なび) く」にかかる。「—なびきし妹 (いも) は」〈万・二〇七〉