海棠睡り未だ足らず
《玄宗皇帝が酔後の楊貴妃を評した言葉から》美人が、眠り足りないときのように、酒に酔って目もとをほんのり赤くしているさまをいう。
海棠の雨に濡れたる風情
美人が、雨にぬれた海棠の花のようにうちしおれている、可憐なようすのたとえ。海棠の雨を帯びたる風情。
かいどうくだり【海道下り】
1 昔、京都から東海道を通って東国に旅をしたこと。あずまくだり。 2 中世歌謡の一群。叙情的な歌の中に、東海道を京都から東国へ下る道中の地名・景物を詠み込んだもの。閑吟集などに所収。 3 狂言小舞。2の一つを地としたもの。本狂言では「越後聟 (えちごむこ) 」「蜘盗人 (くもぬすびと) 」などで舞われる。のち、歌舞伎にも入った。 4 歌舞伎舞踊。3を取り入れたもの。江戸市村座の家狂言で、承応元年(1652)初演。
かいどうすじ【海道筋】
1 海辺の道筋。 2 東海道など主要な道路の道筋。街道筋 (かいどうすじ) 。「—の旅籠屋 (はたごや) 、馬次 (うまつぎ) 、舟場 (ふなば) を詮索 (せんさく) し」〈浄・鑓の権三〉
かいどうすじ【街道筋】
街道の道筋。「—の民家」
かいどうゆづけ【街道湯漬(け)】
1 近世、街道筋で旅人に出した簡単な湯漬け。街道茶漬け。 2 通り一遍の形ばかりの御馳走。また、形式的で誠意のないこと。「—の義理一っぺんの御馳走は」〈洒・南閨雑話〉