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・・・トシテハ内村鑑三氏、芸術家トシテハ岡倉天心氏、教育家トシテハ井上哲次郎氏、以上三氏ノ他ノ文章ハ、文章ニ似テ文章ニアラザルモノトシテ、モッパラ洋書ニ親シミツツアルモ、最近、貴殿ノ文章発見シ、世界ニ類ナキ銀鱗躍動、マコトニ間一髪、アヤウク、ハカ・・・
太宰治
「虚構の春」
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・・・「女ひとり」のこの涙は、作者一人の味わったものではないであろう。「ひとりの時」につましく鳴る喜悦のように表現されている充実感。「春来る」に流れ溢れている生活的な美感。「銀鱗」も、北国の五月、にしんの月の五月、まずしき生活の子供たちが生命・・・
宮本百合子
「『静かなる愛』と『諸国の天女』」