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・・・ だが、青年団、消防組の応援による、県警察部の活動も、足跡ほどの証拠をも上げることが出来なかった。 富豪であり、大地主であり、県政界の大立物である本田氏の、頭蓋骨にひびが入ったと云う、大きな事実に対して、証拠は夢であった。全で殴った・・・
葉山嘉樹
「乳色の靄」
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・・・ 文麿公が、娘さんのお嫁に行かれる送別仮装会のために、そのヒットラー髭を買いにわざわざ浅草まで出かけたことを弟の秀麿氏が、賢兄の茶目気として紹介している記事である。 今日の上流の人々の遊びかたの一つの文化上のタイプとしてこの・・・
宮本百合子
「仮装の妙味」