・・・却って、このことがきっかけとなって、友松円諦のような者や、農村自力更正修養団の思想やがはいりこむことも予想される。 この間、プロレタリア作家の徳永直と、これはプロレタリア短歌を専門とする渡辺順三とが、東北飢饉地方を見学に行った。私は断片・・・ 宮本百合子 「村からの娘」
・・・こういうものは藤村が自身の教養と生活の道とを、所謂心も軽く身も軽き学生生活でのみ得ず、自力で自身の肉体でものにして来ているところからも生じているのではないでしょうかしら。 村山の意見に対して蔵原の批評をひき、貴方が半蔵によって明治変革は・・・ 宮本百合子 「「夜明け前」についての私信」
・・・自由になった離婚法で、不幸な妻は自分から離婚してよいことになり、その上母と暮したいと主張する三人の子をひきとって、一緒に暮さなければならないというとき、経済上自力でやってゆける自信のある妻は、いまの日本に何人あるだろう。イプセンの「ノラ」は・・・ 宮本百合子 「離婚について」
出典:青空文庫