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・・・ふくろふの糊すりおけと呼ぶ声に衣ときはなち妹は夜ふかすこぼれ糸さでにつくりて魚とると二郎太郎三郎川に日くらす この歌はいずれも趣向の複雑したる歌なれば結句に千鈞の力なかるべからず。しかるに二首ともに結句の力、上三句に比し・・・
正岡子規
「曙覧の歌」
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・・・彼等は皆紳商の子弟にして所謂ゼントルマンたるの資格を作る為め、年々数千金を費す」中略「彼等は午前に一二時間の講義に出席し、昼食後は戸外の運動に二三時間を消し、茶の刻限には相互に訪問し、夕食にはコレヂに行きて大衆と会食す。」とそして、そのよう・・・
宮本百合子
「中條精一郎の「家信抄」まえがきおよび註」