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・・・ さて、それでは今回は原作をもう少し先まで読んでみて、それから原作に足りないところを私が、傲慢のようでありますが、たしかに傲慢のわざなのでありますが、少し補筆してゆき、いささか興味あるロマンスに組立ててみたいと思っています。この原作に於・・・
太宰治
「女の決闘」
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・・・断じて然ではない――たしかに輔弼の責である。もし陛下の御身近く忠義こうこつの臣があって、陛下の赤子に差異はない、なにとぞ二十四名の者ども、罪の浅きも深きも一同に御宥し下されて、反省改悟の機会を御与え下されかしと、身を以て懇願する者があったな・・・
徳冨蘆花
「謀叛論(草稿)」