三十日に月が出る
《陰暦で、月の末日には月が出ないところから》ありえないことのたとえ。
みそかお【密か男】
「みそかおとこ」に同じ。「—の首代 (くびしろ) なり」〈読・近世説美少年録・三〉
みそかおとこ【密か男】
忍んで人妻のもとへ通う男。また、夫のある女がそのような男をもつこと。密夫。間男 (まおとこ) 。みそかお。「妻 (め) の—したりけるを見つけて」〈後撰・雑四・詞書〉
みそかごころ【密か心】
人に隠しだてする心。ひそかな恋心。「—つきたる、ものの娘などは」〈源・蛍〉
みそかごと【密か事】
1 秘密のこと。ないしょごと。「—して父母などに見られしに驚く小児に似たりき」〈鴎外訳・即興詩人〉 2 男女がひそかに情を通じ合うこと。密通。「突然—を発 (あば) き立てられたので」〈谷崎・少将滋幹の母〉
みそかぜち【晦日節】
中部地方などで、正月のみそかに新しく餅 (もち) をついて神に供え、松の内に年始回りに行けなかった親類を訪問すること。晦日礼。
みそかそば【三十日蕎麦/晦日蕎麦】
月の末日、特に大みそかに、細く長くの意を込めて食うそば。関西では、つごもりそば。《季 冬》「命ありとてもかくても—/風生」
みそかぬすびと【密か盗人】
こそどろ。「—の、さるべきものの隈々 (くまぐま) にゐて見るらむをば誰かは知る」〈枕・一二四〉
みそかばらい【三十日払い/晦日払い】
その月の末日にまとめて支払いをすること。みそか勘定。
みそかしょうがつ【晦日正月】
太陽暦の1月31日。正月の終わりの日として祝う所もある。