・・・ 大きな ぞうが、おうらいを あるいて きました。サーカスが、どこかへ いくのです。 ちかちか ひかる、青い きものを きた おねえさんと、くろい ズボンを はいた 男が、むちを もって、ついて きます。「こわいわ。」と、よ・・・ 小川未明 「お月さまと ぞう」
・・・「ああ、サーカスが、どこかへゆくんだな。」と、信吉は、思いました。 昨日まで、町にきていて、興行をしていたのです。それが、今日、ここを引き揚げて、また、どこかへいって、興行をしようとするのでした。彼らは、住んでいたテントをたたんで、・・・ 小川未明 「銀河の下の町」
・・・いまに見たまえ、オツベルは、あの白象を、はたらかせるか、サーカス団に売りとばすか、どっちにしても万円以上もうけるぜ。第二日曜 オツベルときたら大したもんだ。それにこの前稲扱小屋で、うまく自分のものにした、象もじっさい大したも・・・ 宮沢賢治 「オツベルと象」
出典:青空文庫