・・・即ちスパイラルシステムというのサ、螺線サ螺線サ、天地は螺線的なのサ、古今の愚人どもがこの螺線法を知らないから困るのサ。まず手近に例を取て見せようか。犬の尻尾は即ち螺線なのサ。君の頭に生ている毛は螺線に生えてるのサ。イイカネ、螺線の類は非常に・・・ 幸田露伴 「ねじくり博士」
・・・roving the scientific basis of the method of prediction as well as the organization of the net-work system of observatio・・・ 寺田寅彦 「PROFESSOR TAKEMATU OKADA」
・・・徳川幕府のアカデミアであった林氏の儒学とそのアカデミズムとは、全く幕府の権力に従属した一つの思想統制のシステムであった。幕末の、進歩的な藩に置かれた藩学校は、当時表面上は幕府法律で禁じられていた英、蘭学の学習を秘密に行ったり、「万国」の事情・・・ 宮本百合子 「新しいアカデミアを」
・・・、現在有名になっている女優一人一人について見れば、容貌にしろ髪の色、声にしろ感情表現の身振りにしろ特長がなくはないのだが、男との相対において現われて来ると、性格的なものをはっきり生かそうというスター・システムの焦慮にもかかわらず、感情の総和・・・ 宮本百合子 「映画の恋愛」
・・・それを、作者は小説のなかでもくりかえし云われているとおりな自身の情緒のシステムにしたがって組立て、芸術の美感とは畢竟描かれた世界の中にあるという立てまえによって、一箇の幻想世界をつくりあげているのである。 この作品を、心理主義の描写とい・・・ 宮本百合子 「観念性と抒情性」
・・・フォードの能率生産というシステムなしに、フォード工場の労働者の、全生涯を部分品とする有名なメカニズムはあり得ない。あらゆる種類の労働にしたがい、勤労に従事している現代の多数の人々――すなわち読者たちは、誰だって、職場が自分たちを、それぞれの・・・ 宮本百合子 「「下じき」の問題」
・・・ 今日、私共の上野図書館は、遙に進んだシステムによって管理されている。が、アの部を牽くと、アイ藍が真先に出る! そして誰もこれに驚かない。 ○ 翻刻智環啓蒙の面白さは、そのように機械化した文字が、まだ・・・ 宮本百合子 「蠹魚」
・・・ 日本の軍隊は、非常によく組織された殺りくのシステムであった。日本の警察とスパイのシステムが世界に冠たるものであるように。それは十四年間の戦争中に、戦争の段階に応じて残酷さの程度をまして来た。特攻隊をつくり出すまで非人道になり、絶望した・・・ 宮本百合子 「小説と現実」
・・・文化を人民の当然の共有財と理解してその民主的効用を求めないなら、いますべての男女学生が働きながら学べる教育のシステムを要求していろいろ骨を折っている意味もはっきりしなくなってしまいます。 インフレーションは勤労者の生活をおしつけていると・・・ 宮本百合子 「討論に即しての感想」
・・・餌は資本主義社会の諸条件のもとにあって、実に複雑極まるセコンド・オーダ・システムの対象となっている。食糧問題は、今日国際問題であり、政治の問題である。坂口安吾氏の性的経験の中に実在を自覚するという論についても同じことが云える。人間坂口は単に・・・ 宮本百合子 「人間の結婚」
出典:青空文庫