・・・ ファシズムに対するわたしたちの闘いには、これらのデマゴギーと挑発によって事実を不正確につたえられる現実の一つ一つに対して、先ず事実を検討し、それから落付いて判断してゆく理性のつよい歯車がいります。現実的な生活的な勉強がいります。・・・ 宮本百合子 「新しい抵抗について」
・・・が共産党の宣伝の道具であるというデマゴギーをも押しつけようとした。清水は綴じあわせたケイ紙を見せ、「しかし、これを御覧なさい、『大衆の友』はちゃんとそうであると言明していますよ」「そう云った人があるのなら、なお更口真似は出来ない。『・・・ 宮本百合子 「刻々」
・・・ 帝国主義のレンズが集中している上海に入った中共の解放軍が、その行動の実際で日本の新聞にさえ一行のデマゴギーを報道流布することを許さなかった事実は、真によろこばしい、そして敬服すべきことだった。沈毅、純朴な若い中国の人民のまもりてたちを・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・において企業内の反動政策との闘争について書いているのに肝心のそのところはちっとも理解せず、同志伊藤や笠原という婦人を書いたとこだけをとりあげ、同志小林が女に対して強権的ではなかったかなどと結果においてデマゴギー的なことを云っている。ブルジョ・・・ 宮本百合子 「小説の読みどころ」
・・・ 当時の中央委員たちによって、スパイとして調べられていた小畑達夫が特異体質のため突然死去したことは、警視庁に全く好都合のデマゴギーの種となった。共産党員は、永い抑圧の歴史の中で沢山の誹謗に耐えて来たのであったが、この事件に関係のあった当・・・ 宮本百合子 「信義について」
・・・ドイツの国会放火事件ばかりでなく、世界の人民のたたかいは、いつもデマゴギーと挑発のわなをしむけられる。日本のこれまでの現実をみても、テロを行ったのは、どういう人たちであったか。 桑原武夫氏が十日の毎日で「引揚げ」という文中に、インターナ・・・ 宮本百合子 「「推理小説」」
・・・それにもかかわらず、右翼日和見主義者とその眷族調停派たちは、自身の誤謬を固執し、作家同盟の一部の同志は、同志小林の指導的批判に対していささかも科学的根拠のないデマゴギー的漫罵をわめきたてさえしたのである。 同志小林の克己と努力とは遂にそ・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
・・・そしてそれがデマゴギーであることは、歴史が証明しているところである。 三『中央公論』四月号には、同志小林の長篇小説「転換時代」が言語に絶する伏字、削除をもって発表されている。きくところによると、この題は『中・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価によせて」
・・・科学の天才にたのんで、非人間的なグロバリズムに支配される国連に、新しい人間関係方面の成果をもって中共が参加しなければならないし、ソヴェト同盟のすべての発言をデマゴギーめいて解説しないではいられないというあやまった神経症が治療されるべきである・・・ 宮本百合子 「「人間関係方面の成果」」
・・・小林多喜二を殺したのは共産党であるというデマゴギーは、このようにして十六年後もまだ或る人々の観念の中にあるのです。共産党とプロレタリア文学運動に関係してわたしが人間性を失い同時に文学の能力を殺された、或は失ったということは、わたし一人に対す・・・ 宮本百合子 「文学について」
出典:青空文庫