・・・わたくしは個人的陳弁のためにこれを書いているのではなく、事実の尊重と党内デモクラシーのため作家の泣きねいりの習慣の克服のために書きます。 宮本百合子 「文学について」
・・・ アメリカの社会の成り立ちの性質は、この小説の主人公クライドのような貧しい、正統な教育もさずけられていない、孤独な青年の胸のなかにも、出身や栄達の希望と空想とを抱かせる一応のデモクラシーがあるようで、デモクラシーの名とともに燦く富の力は・・・ 宮本百合子 「文学の大陸的性格について」
・・・自由と、独立と、平和とのためのデモクラシー、私たちが日本の独立と自由と平和のために求め闘っている人民的な民主主義のバッジである。三ツのLを考えていると、そこに愛という言葉がうかんでくる。人民の祖国独立への愛、人民解放のための愛、世界平和への・・・ 宮本百合子 「三つの愛のしるし」
・・・ブルジョア独裁の民主主義でもなく、さりとてプロレタリア独裁の民主主義でもあり得ない中国、日本の今日より明日へのデモクラシーを、新民主主義と呼ぶわけである。 封建のしきたりと無権利とに苦しんでいた勤労大衆、中産階級、知識人、婦人などの生活・・・ 宮本百合子 「三つの民主主義」
出典:青空文庫