・・・親方がもうナフキンをかけて、ナイフをもって、舌なめずりして、お客さま方を待っていられます。」 二人は泣いて泣いて泣いて泣いて泣きました。 そのときうしろからいきなり、「わん、わん、ぐゎあ。」という声がして、あの白熊のような犬が二・・・ 宮沢賢治 「注文の多い料理店」
・・・ この時突然、店の庭先で太鼓がとどろいた、とんと物にかまわぬ人のほかは大方、跳り立って、戸口や窓のところに駆けて出た、口の中をもぐもぐさしたまま、手にナフキンを持ったままで。 役所の令丁がその太鼓を打ってしまったと思うと、キョトキョ・・・ 著:モーパッサン ギ・ド 訳:国木田独歩 「糸くず」
出典:青空文庫