・・・ 芝居が、楽しませながら、笑わせながら、帝国主義侵略絶対反対、ファシズム排撃を、大衆の心にうち込む役を積極的に買って出た。 抑々、ソヴェト同盟の演劇や映画は、これまでだって唯の一度も、資本主義国の商業主義が企業として利潤のために、金・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・ スローガンだけあるが、生産を国家管理にするといっても、それはどういう国家がどう生産を管理するのであるのか、階級なき新日本と云っても、犬養を殺し、軍部が暴威を振って階級が無くなるものでもなし、ファシズムの信じ難いほどの非科学性を暴露した・・・ 宮本百合子 「刻々」
・・・ 例えばプロレタリア・農民の男が、ファシズムに抗し、帝国主義侵略戦争に反対して勇敢に起ったとしても、階級の半数を占める女が、処女会その他の反動文化団体の影響下にあって、せっせと「千人縫い」をやって支配階級の大量的殺人を援助し、ストライキ・・・ 宮本百合子 「国際無産婦人デーに際して」
・・・ 一九三三年以後日本のファシズムと侵略戦争の推進に対して、不幸な日本人民とその芸術家であるべき作家はあまり無力でした。反ファシズム人民戦線運動がおこったときも、日本の文化人はその重要さを理解しないで、ファシズムと戦争反対との人民的階級の・・・ 宮本百合子 「心から送る拍手」
・・・世界ファシズムと戦争挑発に対する抵抗を組織することが、世界人民の歴史の課題であり、世界文学につながる日本の文学の新しい世紀の精神であることが実感されて来て、そのための実践も着手されていたのである。 したがって、出版恐慌を理由として、これ・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・ この深い思いは、決して日本の婦人、イタリーやドイツの婦人たちだけの思いではありませんでした。ファシズムに対してたたかって、それに勝利したすべての民主的な国々にも、戦争による未亡人はどっさり出来ました。一九四六年の新しい年は、世界じゅう・・・ 宮本百合子 「今年こそは」
・・・根本の原因にふれないで、そこに生じた現象だけを、おのずからほとばしる職業軍人の感情で語ることに、うそがないというだけで、こんにちファシズムとたたかって平和を確保しなければならないわたしたち日本の人民にとって、誠実な態度であるといえるであろう・・・ 宮本百合子 「ことの真実」
・・・ ――帝国主義とファシズムの犠牲者に階級の兄弟プロレタリアートからの挨拶を! また、 ――世界革命、万歳 レーニン廟は修繕中である。今は「レーニン留守」の感じを与える。ひろい板がこいの上は生産に従う労働者と農民の鮮やかなパノ・・・ 宮本百合子 「子供・子供・子供のモスクワ」
・・・一九三三年と云えば、プロレタリア文化運動に集注破壊の向けられた年で、小林多喜二の虐殺は、ファシズム権力の兇猛さで、国内にも国外にも心からの憤怒をよびおこした。が、その一面プロレタリア文化団体は、小林多喜二の死によってうけた震撼と恐慌によって・・・ 宮本百合子 「小林多喜二の今日における意義」
・・・ 日本文化を守る会が結成されたこと、このように広汎な全日本にわたって男女学生の自主的文化学問への要求が表明されていること、また各方面に日本の軍国主義とファシズムの再燃にたいしてたたかい、平和の擁護のために働こうとする人々のグループが結成・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
出典:青空文庫