・・・みじめなプロテストではあるが、これをさえ私は未だに信じてもらえない立場にいるらしいのを、彼の言葉に依って知らされ、うんざりした。 しかし、その不愉快は、あながちこの男に依って、はじめて嘗めさせられたものではなく、東京の文壇の批評家という・・・ 太宰治 「親友交歓」
・・・それは小林秀雄が、わけの分らぬ言葉の手品をしていたり、妙な下らぬ小説や賞がはやって、常識がそれにプロテストするからなのだが。 そのプロテストが又いろいろの事情によって三四年前とは全く異り、手がこんでいてひねくれていて、はっきり自明なこと・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・へのプロテスト――農村と都会の分裂の悲劇p.67 十六世紀のアンリ四世とパリの同業組合p.68 異教の擡頭につれて、パリでは警吏が町角の聖母像におじぎを強要した。ふみ絵の元祖?一五六〇年頃p.72 新教と「家庭」。市・・・ 宮本百合子 「バルザック」
・・・ アメリカの実利性、人間精神がより高く深く真理をとらえようとする懐疑を忘却して自足しているアメリカの精神麻痺へのプロテストとして、アンダスンは「暗い青春」の主人公の家出、破婚、流浪の本質を描いているのだけれども、フランス文学にごく近接し・・・ 宮本百合子 「文学の大陸的性格について」
・・・いうものが、若い肉体と精神とを正当に知識的に導く力をもっていないばかりか、情操を高く明るく導く愛も喪っていて、ただ威嚇と形式上の秩序ばかりに拘泥して悲劇の温床となっていることに対する作者ヴェデキントのプロテストは今日の実感にも生きている。・・・ 宮本百合子 「若き精神の成長を描く文学」
出典:青空文庫