・・・ メーデーのデモには、各工場が自分たちの音楽団を先頭に立て、勇ましい行進曲とともにやって来る。見事な、胸のすく思いです。音楽サークルの種類は合唱、ハーモニカ、ギター、ブラスバンドなどが多い。管絃楽は少ない。ヴァイオリン、セロと云う様なご・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の音楽サークルの話」
・・・ 農村でもラジオは非常に発達して、モスクワから何百露里も離れた田舎でメーデーの音楽やスターリンの演説を聞ける。 今度五ヵ年計画で集団農場がどんどん出来て行く。郵電省は自身の五ヵ年計画で数千の「ラジオ中心」を集団農場へ新設しつつある。・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の芝居・キネマ・ラジオ」
・・・ モスクワのメーデーは、あの賑やかさと、全市に翻る赤旗の有様だけでもほんとに見せたいようだが、次の日の五月二日は休みだ。疲れやすみだね。町々には、まだ昨日の装いものがある。労働者市民は、胸に赤い花飾りなんかつけて、三人四人ずつ散歩してい・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
さて、いよいよモスクワも本物にあつくなって来た。 あっちは、日本みたいに梅雨はないが、冬がひどく長い。四月頃やっと雪がとけて、メーデーには、小雨でも降ると、まだどうしてなかなか冷えるという時候だ。 それが五月二十日・・・ 宮本百合子 「ソヴェト労働者の夏休み」
・・・例えばメーデーの時、革命記念祭のデモンストレーションの時には、各工場は自分の工場の音楽隊を先に立てて行進して来る。 専門的な音楽の発達のためには、ソヴェトは音楽学校の非常に程度の高いものをもっている。そこでシーズンが来ると、外国から来る・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・の記念、三月八日の国際婦人デーの記念のため、近づいて来たメーデーまでに『働く婦人』直接購読者を倍にふやそう! メーデーは、皆さんも御承知の通り世界のプロレタリア・農民の男女が一斉に立って、勤労階級の団結の力を敵の前に示威する国際的な日で・・・ 宮本百合子 「日本プロレタリア文化連盟『働く婦人』を守れ!」
・・・その頃非合法におかれていた共産党の中央委員のなかに、大泉兼蔵、小畑某というスパイをいれ、大森のギャング事件、川崎の暴力メーデーと、大衆から人民の党を嫌わせるような事件を挑発させたのも、安倍源基とその一味でした。スパイは、日本全国の党組織に入・・・ 宮本百合子 「ファシズムは生きている」
・・・数百万の戦争未亡人・孤児の生涯は見殺しながら、三月八日の婦人デーはごまかして、三月は日本の雛祭り、とお客さまにお目にかける態度の卑屈さをいきどおり赤面しない婦人たちがあるだろうか。メーデーには棍棒隊をくり出させて、端午は日本の男の節句と他方・・・ 宮本百合子 「婦人デーとひな祭」
・・・ 今年もまたメーデーが近づきましたが、この頃は一体どうでしょう。戦争になれば景気がよくなるとブルジョアどもは吹き立てるが、失業者は現にふえる一方、賃銀は物価騰貴で三、四割減ったも同然です。農村では肥料を買う金さえない。 製糸女工・・・ 宮本百合子 「婦人読者よ通信員になれ」
・・・の広場に飾られてるような大骨板張の大労働者像、一九三〇年のメーデーに赤い広場に飾られた大群像、または示威運動の張りものみたいな非写実的な、応用美術の方が手に入ってる。日本で労働運動はそのような祝祭の張りものを求める状態にはまだなっていない。・・・ 宮本百合子 「プロレタリア美術展を観る」
出典:青空文庫